グリーンエネルギーの素さがし!

このプログラムは、「一般社団法人 サステナビリティ・エンパワーメント」のプログラムを基にしています。

● 目標再生可能エネルギーを自分ごと化し、考えるきっかけをつくること。
②子どもたちとシニアという世代をこえた考え方が交わることでお互いがより興味を持って考えられる姿勢をつくり、立場の違う人の意見に耳を傾けることで共感・共有する力を身につけること。
③身近な事象から楽しくアイディアを出しあうことで、エネルギーに対して主体的に考える力を身につけること。
● 概要エネルギーをつくるワザ[まわる(す)・あつくなる(する)・ひかりをあつめる(あてる)・いきもの・食べ残し・ふるえる・こする]などを使って、5種類の再生可能エネルギー(風力、地熱、太陽光、バイオマス、水力)をつくりだす「素(もと)」を探す。身近なものを活用し、小学校中学年の子どもたちが、シニアのみなさんの世代をこえた意見も参考にしながら、話し合い、いろいろなアイディアの中からユニークなアイディアを選んでいく。このプロセスでエネルギーを身近に感じ、その中でも、地球にやさしい持続可能なエネルギーについて主体的に考えるきっかけを子どもたちに与える。

● 学習指導要領との関連

学年教科・領域学習内容
小学校3・4年総合的な学習の時間(5)目標を実現するにふさわしい探究課題については,学校の実態に応じて,例えば,国際理解,情報,環境,福祉・健康などの現代的な諸課題に対応する横断的・総合的な課題,地域の人々の暮らし,伝統と文化など地域や学校の特色に応じた課題,児童の興味・関心に基づく課題などを踏まえて設定すること。
小学校6年理科2 A 物質・エネルギー
(4)電気の利用  
発電や蓄電,電気の変換について,電気の量や働きに着目して,それらを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。
(イ) 電気は,光,音,熱,運動などに変換することができること。
(ウ) 身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。
イ 電気の性質や働きについて追究する中で,電気の量と働きとの関係,発電や蓄電,電気の変換について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

SDGsの要素

身のまわりから多面的,総合的なアイデアを考えることで,エネルギーを身近なものとして捉える。
新しい持続可能なエネルギーについて主体的に考える。
シニアの人と話し合うことで,立場の違う人の意見に耳を傾けたり,共感・共有したりする力を身につける。

ESDの要素

グリーンエネルギーの素を考えてシェアすることで、その種類やさまざまな活用方法に気づく。
グリーンエネルギー=再生可能という構造を知ることができる。
グループやシニアの意見を聞き、グループで話し合う作業がある。

ESDの能力・態度

身近なものごとから多面的・総合的に考えて、様々なアイディアを創出する機会を設定する。
自分やグループの考えをプレゼンテーションする機会を設定する。
グループやシニアの意見を聞き、グループでエネルギーを生み出す作業を行い、協力し合う機会を設定する。

プログラム(単元・題材)の展開の流れ

7時間

活動、学習内容指導、支援の方法、ポイント等(教材・必要物)
1時間目エネルギーづくりのアイディアを考えよう
①エネルギー(電気)をつくり出す方法をシェアしよう。
②エネルギー(電気)をつくるモノを実感しよう。
◇グループに分けて付箋などで意見を出すようにさせる。グループの意見を黒板に書き出しながら、KJ法のようにまとめる過程で以下のキーワードに収束。
[ワザ=まわる(す)・あつくなる(する)・ひかりをあつめる(あてる)・いきもの、食べ残し・ふるえる・こする]
◇手回し式懐中電灯、太陽光で動くおもちゃ、下敷き…などを実演し、エネルギーを生み出すしくみを想起させる。
〔付箋、付箋を貼るA1程度の紙〕
2時間目エネルギーづくりのアイディアを出そう! part1

電気作りのアイディアを出す。

◇「ワザ」を使って、身近な事象でエネルギーをつくるアイディアをグループで話し合う。アイディアは付箋1枚に1つ書き出させ、グループ内でKJ法でまとめていく。その中で班の代表アイディアを1つ選んでA3一枚にタイトルをマジックで記入。
※シニア数名がシニアだけの班で参加。
〔付箋、付箋を貼るA1程度の紙〕
3時間目エネルギーづくりのアイディアを発表しよう! part 1
①2時間目を受けて、グループごとにアイディアを発表。
②共感をよぶアイディアをシェアしよう。
◇A3のタイトルペーパーを黒板に貼り、1班発表2分・質疑3分程度でプレゼン。シニア班も同様にプレゼン。
◇良いと思ったアイディアに「イイネ」シールを貼る。(1人2枚まで/子どもたちとシニアのシールの色をかえる)
〔A3紙、マジック〕
4時間目世界のグッドアイディアを知ろう!
補助教材「グリーンパワーペーパー」で「おしっこ発電」「発電サッカーボール」など自分ごと化しやすいアイディアを紹介する。補助教材「グリーンパワーペーパー」

5時間目エネルギーづくりのアイディアを出そう! part2
電気作りのアイディアを出す。◇4時間目を経て、さらにアイディアを膨らませる。今度は1グループに一人シニアも加わって、一緒にアイディアをねる。
〔A3紙、マジック〕
6時間目 エネルギーづくりのアイディアを発表しよう! part2
①5時間目を受けて、グループごとにアイディアを発表しよう。
②共感をよぶアイディアをシェアしよう。
◇A3のタイトルペーパーを黒板に貼り、1班発表2分程度でプレゼン。
◇良いと思った、あるいは自分には思いつかなかったおもしろいアイディアに「イイネ」シールを貼り(1人2枚まで/子どもたちとシニアのシールの色をかえる)、イマイチと思ったアイディアに「イマイチシール」を貼る。
その評価理由について討論する。
〔シール〕
7時間目 環境にやさしい グリーンエネルギーについて考えよう
①補助教材「グリーンパワーペーパー」でグリーンエネルギー(再生可能エネルギー)についてレクチャー
②ふりかえり=まとめ
◇いままでみんなで考えてきたエネルギーは、グリーンエネルギーといって再生可能(グリーンパワーペーパーなどを参照。あるいは石油などと違い持続可能なもの)で温暖化の緩和策に良いことを簡単にレクチャーする。
◇7時間目までの学びで気づいたことをまとめ、子どもたちと、シニアの双方で振り返る。
〔振り返りシート〕

● その後の展開例等

  • プログラムを簡易化すれば授業時間以外でも、保護者参加型授業などオープン型の学びあいにも活用できる。
  • シニアの参加がなくてもプログラム運用は可能。
    (シニアの参加は、地域の環境団体、NPOなどを自治体ルートで紹介いただくなど工夫する)

● 地域で実践するときの補足情報

  • プログラム所有団体が提供できるリソースやその条件
    ▷ 参加シニアの派遣(交通費など実費)
  • プログラム所有団体が関わらない場合の代替リソース案
    ▷ 学校のある地域の市民団体(環境省認証環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員などの属する環境系団体)
    ※自治体ルートで紹介いただくなど工夫する。