目指せ特級エコガイド
〜冬の校舎の秘密 劇的改造エコブリッジ ビフォーアフター〜
このプログラムは、「豊田市立土橋小学校」のプログラムを基にしています。
● 目標 | ①環境省エコフロー事業等により省エネに配慮して改修された校舎を教材にし、エネルギーを使わなくても校舎内が暖かい理由を実験や温度計測、実物大模型製作によって学び、実生活に生かす。 ②実際の住居は気候に合わせて作られていることと、現在は省エネ技術を取り入れた家が建っていることを学び、省エネを生かして快適に暮らそうとする気持ちを育てる。 ③理解したことをエコガイドのシナリオに入れて、いろいろな人に知らせることで、伝えることの喜びと共にその成果に気付く。また、さらなる学びへの意欲を高める。 |
● 概要 | 冬の校舎を教材にし、省エネに関する工夫などを学び、エコの視点から環境改善計画を子どもたち自身が考え、実行し、これを発表することにより、学ぶ意欲や自ら行動する力を育むことをねらいとしている。全10時間。校舎各所 教室 集会室 エコブリッジ(開放型廊下)などを舞台に、校舎の冬の観察(温度測定、土橋小コールドマップ作り)を行い、冬を暖かく過ごす工夫を調べる。(他地域の住居、エコブリッジ改造計画、改造実施など)。そして冬の校舎を暖かくする方法を考え、エコガイド発表会で発表を行う。(リハーサル、4年生への発表、1年生保護者への説明) |
● 学習指導要領との関連
学年 | 教科・領域 | 学習内容 |
小学校6年 | 理科 | 2 A 物質・エネルギー (1)燃焼の仕組み 燃焼の仕組みについて,空気の変化に着目して,物の燃え方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 イ 燃焼の仕組みについて追究する中で,物が燃えたときの空気の変化について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。 |
小学校5・6年 | 家庭 | 2 B 衣食住の生活 (6)快適な住まい方 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) 住まいの主な働きが分かり,季節の変化に合わせた生活の大切さや住まい方について理解すること。 |
● SDGsの要素
気候に合わせた住居や省エネルギー技術を取り入れた家について学び,健康で快適に生活しようとする気持ちをもつ。 | |
省エネルギーに配慮した校舎を教材にして,エネルギーを使わなくても暖かい理由を実験や温度計測,実物大模型製作によって学ぶ。 |
● ESDの要素
エネルギーは相互に作用していることを校舎を使った学習から学ぶ。 | |
実験や温度計測からエネルギーは有限であることを実験や温度計測から学ぶ。 | |
実験やエコガイドの作成づくりなどを協力して行う。 |
● プログラム(単元・題材)の展開の流れ
10時間
活動、学習内容 | 指導、支援の方法、ポイント等(教材・必要物) | |
1時間目 | 校舎で一番寒いのは、どこだろう | |
・家庭科の快適な住まい方と関連させて、冬の校舎の温度測定をし、どこが一番温度が低いかを調べる。 ・校舎内の風が吹き込む場所を特定する。 | ◇センサー温度計、非接触温度計、手作りの風速計を持って手分けして、校舎の地図に温度を記入する。(それぞれの機器の操作方法及び、データの記録法を学ぶ) 〔センサー温度計、非接触温度計、風速計〕 | |
2・3時間目 | ○○小コールドマップを作ろう | |
・測定したデータを集め、○○小コールドマップ(寒い場所)を作り、なぜ、そこが寒いのか、改善する方法はないか等の課題をもつ。 | ◇マップを作ることでデータを分析し、そこから課題を見つけることを学ぶ。また、データについて、なぜそうなったのかの自分なりの仮説を立てる方法を学ぶ。〔校舎図〕 | |
4~7時間目 | エコブリッジを暖かくする方法を考え、成果を発表しよう | |
・学校の中で最も寒い開放廊下を暖かくする計画を立てる。 ・快適に暮らすために断熱材になるものを考え、新聞や緩衝材、布、ビニールシートなどを使い、エネルギーを使わないで温度を上げる。 ・成果を発表し、なぜ暖かくなったのかをみんなで考える。 ・自分たちの工夫に対する外部講師の講評を聞いて、校舎の工夫を確認すると共に、冬を暖かくする方法を学ぶ。 | ◇開放廊下であるエコブリッジの環境を改善するために、①風をふせぐ②断熱するの2点を押さえて改善方法を考えさせる。 ◇使う素材は校舎の工夫から考えたり、生活の中から考えたりし、①加工のしやすさ②手に入れやすさ③後片付けの容易さを考慮して友達と相談して決めさせる。 ◇協力して4m× 4mの空間を改造し、温度を測って、改造前、改造後のデータを収集する。講師から評価を受けると共に、なぜ、暖かくなったかの原理を教えていただく。 | |
8・9時間目 | 発表するための準備をしよう | |
・発表の準備をする。紹介したい場所を一人一つ担当し、スピーチを考える。発表の工夫を考え、準備をする。 | ◇朝のスピーチ活動や国語等で学んできた話す技術を駆使し、分かりやすい発表を行う。 ◇参加者に体験してもらうことで、よりよく伝える方法を学び、実践する。 | |
10時間目 | 1年生や保護者に発表しよう | |
校舎の仕組みをよく知らない1年生、保護者を対象に発表会を行う。 | 1年生及びその保護者にエコガイドの姿を見せることで、学校の伝統をアピールする。 |
● 地域で実践するときの補足情報
- このコールドマップづくりを生かして、さらに校舎の学習を進め、校舎から学んだことを紹介するエコガイドを学習の集大成として行う。
- また、この学習の実施時期としては11月〜12月が適当だと思われる。