レッツゴー!エコキッズ

このプログラムは、「富山市立中央小学校」のプログラムを基にしています。

● プログラムの目標身近な地域の環境や環境問題について調べたり考えたりし、ごみの減量やリサイクルなど、自分たちにできることを考えて、進んで取り組もうとする。
友達や家庭、地域の人々と協同して課題を解決し、具体的に実践する態度を身に付ける。
● プログラムの概要ごみの再生・再利用の取組が資源の有効活用となることを知り、より多くの人と一緒に活動する方法や、地球の環境を守るために、自分たちにできることを考え、実行する。
10歳の子どもが10個のエコ活動に10週間取り組むという「環境チャレンジ10」活動を通して、日常生活を見直し、専門機関や外部人材との連携により、自ら環境へ働きかける意欲を高める。

● 学習指導要領との関連

学年教科・領域学習内容
小学校4年社会
(2)人々の健康や生活環境を支える事業について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 飲料水,電気,ガスを供給する事業は,安全で安定的に供給できるよう進められていることや,地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解すること。
(イ) 廃棄物を処理する事業は,衛生的な処理や資源の有効利用ができるよう進められていることや,生活環境の維持と向上に役立っていることを理解すること。
小学校4年理科2 A 物質・エネルギー
(3)電流の働き  
電流の働きについて,電流の大きさや向きと乾電池につないだ物の様子に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
イ 電流の働きについて追究する中で,既習の内容や生活経験を基に,電流の大きさや向きと乾電池につないだ物の様子との関係について,根拠のある予想や仮説を発想し,表現すること。

2 B 生命・地球
(4)天気の様子  
天気や自然界の水の様子について,気温や水の行方に着目して,それらと天気の様子や水の状態変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 
イ 天気や自然界の水の様子について追究する中で,既習の内容や生活経験を基に,天気の様子や水の状態変化と気温や水の行方との関係について,根拠のある予想や仮説を発想し,表現すること。

● SDGsの要素

ごみ置き場の調査やリサイクルセンターの見学を行い,地域の環境を守るためにできることを考え,話し合う。
ごみの再利用に取り組んだり,日常生活を見直したりするなど,環境をよりよくするために主体的に行動する。
地球温暖化のための取り組みの結果,減らした二酸化炭素の量を集計し,効果のある方法を考える。

● ESDの要素

写真やデータなどから,身近な環境問題や地球温暖化と自分たちの生活を関連づけて考える。
10歳の子どもが10個のエコ活動に10週間取り組む「環境チャレンジ10」活動を通して,自ら環境へ働きかける意欲を高める。

● ESDの能力・態度

リサイクルセンターの見学などから体験的に学び,地球温暖化に対して自分たちにできることを考え,実行する。
ごみが増えている理由やリサイクル上の課題を知り,「ごみを減らすにはどうすればよいか」を内省しながら話し合う。
友達や家庭,地域の人々と協力して課題を解決し,まわりの人に呼びかけ,力を合わせて取り組む活動を考える。

プログラム・単元・展開の流れ

12時間

活動、学習内容指導、支援の方法、ポイント等(教材・必要物)
1・2時間目 ごみ置き場の様子
ごみ置き場を調査し、ごみを出すときのルールやきまり、ごみを集める人の工夫を調べる。 ・ごみの捨て方にはルールやきまりがあることに気付かせる。
・ごみの分別を身近な問題として捉えられるようにする。
3・4時間目 ごみのゆくえ

ごみ収集車や処理施設の資料をもとに、分別されたごみの行き先を予想し、ごみ処理施設を見学して確かめる。

・ごみの処理をする中で、資源の有効利用や環境に悪影響を及ぼさない工夫がされていることをおさえる。
・施設見学を通して、ごみの処理をする中で、資源の有効利用や環境に悪影響を及ぼさない工夫がされていることを理解できるようにする。
5・6時間目ごみが生まれ変わる
リサイクルセンターを見学し、センターで仕分けされた物が、何に変わるのかを予想し、資源ごみについての理解を深める。 ・リサイクルセンターの見学や調査を通じて、ごみを資源化することが源の有効利用につながることを考えさせる。
7時間目3Rって何?
※富山県「3R推進スクール」を参照。
ゲストティーチャーとごみ収集車を学校に招き、再生過程のペレットや服や文房具などに生まれ変わった再生利用品を実際に見たり触ったりする。・ゲストティーチャーから3Rについての話を聞いたり、再生利用された品物やごみ収集車の見学をしたりして、ごみの再生・再利用の取り組みが、資源の有効利用となっていることに気付けるようにする。
バイオディーゼル燃料を使ったごみ収集車をお願いするとよい。
8時間目リサイクルのかだい
ごみが増えている理由を考える。リサイクルには、課題があることを知り、ごみをもっと減らすには、どうすればよいかを話し合う。・見学の際に働く人に聞いたリサイクルをするにあたっての問題点を話題に取り上げて話し合う。
・ごみが増え続けるとどうなるのか、リサイクル以外に、ごみを減らす方法はないか考えさせ、リデュース・リユースの大切さにも気づかせる。
9時間目環境チャレンジ10に挑戦(前編)
※富山県の事業。10個の取組を10週間続ける活動。
ゲストティーチャーから、身近なところで起こっている地球温暖化についての話を聞く。
地球にやさしい生活をするために、自分にできる活動を10個考え、家族と一緒に取り組む。
・写真やデータなどを基に、地球や身近なところで起こっている環境問題について子どもたちが捉えやすいようにする。
・身近な環境問題、地球温暖化と人々の生活を関連付けて考えるようにさせる。
・学習参観や保護者会等の機会を活用して、家庭との連携を図る。
10時間目環境チャレンジ10に挑戦(後編)
10週間の取組で減らした二酸化炭素の量を集計し、効果のある取組を考える。二酸化炭素の削減量の集計結果から、節電・節水・ごみの減量化・資源の再利用などの取組の積み重ねが大切であることに気付き、活動の継続への意欲を高める。
11時間目地球にやさしい生活
地球にやさしい生活をするために、自分たちにできる活動を考え、取り組む。
周りの人に呼びかけ、協力して取り組む活動を考える。
・自分だけでなく、より多くの人と一緒に活動することが、地球の環境を守るために大切だと気付き、活動を広められるようにする。
・自分が継続してできる活動、みんなに呼びかけていく活動は何かを考え、計画を立てる。
12時間目 エコキッズレポート(活動発表会)
自分の取組を振り返り、今後もどのようなことをしていけばよいかレポートにまとめ、報告会を開く。・自分が取り組んだエコ活動を通して感じた思いを語らせる。
・今後も地球環境の問題に関心をもち、みんなで協力してエコ活動を続けようとする思いや地球環境をより良くしたいという願いを引き出す。
・学習参観や学習発表会など、発表の場を確保する。

その後の展開例等

  • エコキッズの発表の場として、全校集会やPTAのバザーでのポスターセッションを行う。
  • 自分たちで作ったエコグッズを販売するコーナーを設けるなどして、より多くの人に関心をもってもらえる場を設定した。

地域で実践するときの補足情報

  • 「環境チャレンジ10」は、富山県独自の取組であり、とやま環境財団から発行されている「とやま環境チャレンジ10とりくみノート」を使用している。HP上でプログラムが公開されているので、「とやま環境チャレンジ10とりくみノート」で検索し、それを参考にして「とりくみノート」は各校で作成するとよい。
  • 上記HPのとりくみ例に二酸化炭素の削減量について「1日でへらせる地球をあたためるガス○○グラム」といった表記がされており、自分たちでも累積計算することができる。
  • 「3R推進スクール」は、富山市の事業の一環として行われており、環境センターの方々の出前授業(3Rを実践することの大切さを講義し、実際のリサイクル製品やごみ収集車にも触れることができる)を体験することができるものである。環境学習の出前授業は、各地域でも行われていることが多い。区市町村の役所等に問い合わせてみるとよい。